HotForexは2010年設立の大手海外FXブローカーであり、200万以上の口座数を誇っています。
そんな大手のブローカーですが、今回当サイトにて「実測スプレッド」を測定した結果、一部の通貨ペアのスプレッドはやや狭いものの、全体的には広い通貨ペアも多いことがわかりました。
本記事では、HotForexの実測スプレッドをご紹介し、どの通貨ペアのスプレッドが広く、どの通貨ペアのスプレッドが狭いのか詳しく解説いたします。
HotForexの口座ごとでスプレッドはどう違うか?
HotForexは6種類の口座を用意しており、公式サイトにてそれぞれの口座の最低スプレッドを公開しています。
この6種類の中で、他の海外FXブローカーのスタンダード口座にあたるのがPREMIUM口座であり、ECN口座に該当するのがZERO SPREAD口座です。
最低スプレッドで比較するとPREMIUM口座とZERO SPREAD口座では1.0pips以上の差があり、ZERO SPREAD口座が明らかに狭いスプレッドを提供していることがわかります。
また公式サイトではTypical spreadを公開しており、それらを確認すると主要6通貨ペアのスプレッドは以下の通りです。
上記のスプレッドの数値を参考にしながら、当サイトで計測した実測スプレッドの数値をご確認ください。
当サイト計測!HotForex主要6通貨ペアの「実測スプレッド」
HotForexが提供している主要6通貨ペアのスプレッドを、独自に開発したツールを用いて測定し、得られたデータを「実測スプレッド」として公表しています。
「実測スプレッド」とは、公式サイトが出しているスプレッドやネット上で言われている真偽の明らかでないスプレッド情報とは異なり、真実のスプレッドです。
この実測スプレッドを当サイトでは10社20口座で測定しているため、容易に比較することができ、HotForexの提供しているスプレッドが本当に狭いのかどうかが明らかになります。
このデータを有効に活用していただくために、PREMIUM口座とZERO SPREAD口座の実測スプレッドについて解説していきます。
PREMIUM口座の実測スプレッド
PREMIUM口座の実測スプレッドをご紹介し、各通貨ペアでスプレッドが狭くなる時間帯や傾向について解説いたします。
USD/JPY
USD/JPYにおいて各項目の数値についてまとめ、傾向を解説いたします。
USD/JPYの実測平均スプレッドは「1.83pips」で、HotForexが公表しているTypical spreadの「1.7pips」と比べて「0.13pips」広い傾向にありました。
最小スプレッドは「1.6pips」であり、6時以外のすべての時間帯で発生はしていましたが、この数値は最小スプレッドとしては広い数値となっています。
最小平均スプレッドは「1.65pips」であり、24時間の時間帯の中で何回が発生していました。
また最大スプレッドは「12.2pips」、最大平均スプレッドは「4.48pips」でともに6時に発生していました。
それ以外にも5時や7時といった早朝は平均スプレッドが広くなりやすく、最大スプレッドも5pipsを超える数値が記録されています。
これは6時と7時が世界三大市場の閉まっている時間帯であることが大きく影響しており、極端に為替相場の流通量が下がるためにスプレッドが広くなる傾向にあります。
世界三大市場は東京、ヨーロッパ、アメリカの市場であり、それぞれの市場が開いている時間帯を以下に示します。
1.東京市場:8:00~15:00
2.欧州市場:15:00~21:00
3.米国市場:21:00~6:00
6時と7時にもオセアニア市場が開いているため、為替の取引は可能ですが、スプレッドが広がりやすくなっているため、基本的におすすめできない時間帯となっています。
また世界三大市場のそれぞれの切り替わる時間帯にも市場が荒れてスプレッドが広がりやすいため、取引を行う際には注意が必要です。
USD/JPYの分布図をみるとやはり早朝にスプレッドはばらつきが激しくなっており、午前中やヨーロッパ市場とアメリカ市場が切り替わる21時前後にもばらつきが確認されています。
EUR/USD
EUR/USDの各スプレッドを整理してご紹介いたします。
EUR/USDにおける実測平均スプレッドは「1.23pips」であり、HotForexによるTypical spreadの「1.2pips」とは「0.03pips」の差しかなく、大きな違いはありませんでした。
最小スプレッドは「1.1pips」であり、6時を除いた全時間で発生していますが、この数値も決して低い数値とは言えません。
また最小平均スプレッドは「1.10pips」であり、夜から深夜帯にかけて狭くなる傾向にありました。
ただ、深夜3時は平均スプレッド「1.10pips」とかなり狭かったですが、同じ時間帯の最大スプレッドは「2.8pips」と前後の時間帯と比較すると広いスプレッドが記録されていました。
最大スプレッドは「9.3pips」であり、6時に発生していました。
また最大平均スプレッドは「3.28pips」であり、最大スプレッドと同じく早朝の6時に記録されています。
分布図を確認すると、早朝にばらつきが大きくなる以外にも小さいばらつきが1日を通して認められていました。
この中でもとくに目立ったばらつきは21時前後でした。
EUR/JPY
EUR/JPYの各種スプレッド数値また傾向について解説いたします。
EUR/JPYの得られた実測平均スプレッドは「2.23pips」で、HotForexのTypical spread「1.7pips」と比較して、「0.53pips」スプレッドが広い傾向でした。
最小スプレッドは「1.6pips」であり、6時を除いたすべての時間帯で記録されています。
最小平均スプレッドは「1.88pips」であり、1時、2時、4時に発生していました。
ただし、4時は最小平均スプレッドが記録されていたにも関わらず、この時間の最大スプレッドは「13.0pips」と早朝の7時の最大スプレッドと同じ数値が出ていました。
最大スプレッドは「19.3pips」であり、最大平均スプレッド「7.84pips」と同じく6時に記録されていました。
分布図ではEUR/USDと比較して、早朝のばらつきが極端に抑えられており、13pips程度で意図的に止められているような形となっています。
全体的にはEUR/USDよりもばらつきが大きい傾向にありました。
GBP/JPY
GBP/JPYにおいてそれぞれのスプレッドは以下の通りになりました。
GBP/JPYの実測平均スプレッドは「3.50pips」を記録しており、HotForexで公開されているTypical spread「3.0pips」よりもスプレッドが「0.50pips」広いことがわかりました。
最小スプレッドは「2.4pips」であり、7時から14時といった午前中からお昼にかけて発生する傾向にあるようです。
ただし最小平均スプレッドは「2.73pips」であり、深夜帯の2時に発生しているので、全体的にスプレッドが狭いのは午前中よりも深夜帯であることがわかります。
最大スプレッドは「24.0pips」と非常に広く、最大平均スプレッドも「14.6pips」と非常に広くなっていました。
GBP/JPYで特徴的なのは、ヨーロッパ市場とアメリカ市場の切り替わる21時の時間帯に最大スプレッド「11.4pips」が発生しており、この時間帯の取引には注意が必要です。
分布図を確認するとEUR/JPYと同じく早朝のスプレッドが22pipsあたりで止められているような形を呈していました。
また午前中の分布の幅が広いことや21時前後のばらつきが大きいこともGBP/JPYの特徴でした。
GBP/USD
GBP/USDではスプレッドが以下の通りであり、その傾向について解説いたします。
GBP/USDおける実測スプレッドは「1.89pips」でしたが、HotForexがサイトで公表しているTypical spread「1.8pips」と比較すると「0.09pips」の差でそこまで大きくはありませんでした。
最小スプレッドは「1.5pips」であり、6時を除いた全時間帯で発生していました。
また最小平均スプレッドは「1.54pips」と最小スプレッドとほとんど変わらない狭さで提供されており、深夜帯は取引を行うのに適しているといえます。
最大スプレッドは6時に「18.0pips」が記録され、大きく拡大していますが、同じく6時に記録された最大平均スプレッドは「6.34pips」であり、平均にするとGBP/JPYよりも明らかに狭いことがわかります。
分布図を確認すると早朝の時間帯はGBP/JPYでみられたスプレッドが不自然に止められたような形にはなっていないことがわかります。
またGBP/USDでは19時台にばらつきがもっとも大きくなっていました。
AUD/USD
AUD/USDのスプレッドの値がそれぞれどのような時間帯で発生しているのかをまとめました。
AUD/USDの実測した平均スプレッドは「1.71pips」であり、公表されているTypical spread「1.5pips」と比べて実測スプレッドが「0.21pips」広いことがわかりました。
最小スプレッドは「1.3pips」であり、5時と6時を除いた全時間帯で発生していました。
また最小平均スプレッドは「1.58pips」で、深夜の2時に記録されていますが、AUS/USDでは日中から夜間、深夜帯にかけて平均スプレッドはほとんど変化がないのが特徴的です。
最大スプレッドは「7.7pips」、最大平均スプレッドは「3.04pips」で6時に発生しています。
午前10時に最大スプレッドが「6.4pips」を記録しており、午前中にややスプレッドが広がりやすくなっています。
分布図を確認すると、ばらつきが帯状に広がっており、早朝以外に午前中のばらつきがはげしいことがわかります。
ZERO SPREAD口座の実測スプレッド
ZERO SPREAD口座の実測スプレッドについてPREMIUM口座と同様に解説いたします。
USD/JPY
ZERO SPREAD口座のUSD/JPYのスプレッドは以下の通りです。
ZERO SPREAD口座におけるUSD/JPYの実測平均スプレッドは「0.41pips」であり、PREMIUM口座の「1.83pips」とは「1.42pips」の差がありました。
最小スプレッドは「0.0pips」であり、6時を除く全時間帯で発生していました。
最小平均スプレッドは「0.24pips」で、午後に2時間、夕方に2時間、深夜帯に2時間ずつ発生していました。
最大スプレッドは「10.2pips」とPREMIUM口座よりも狭かったですが、6時だけでなく7時にも同じ広さのスプレッドが発生していました。
最大平均スプレッドは「3.36pips」で、6時に発生していますが、6時以外の時間帯の平均スプレッドはいずれも低く1pipsを下回るスプレッドでした。
分布図を確認すると早朝のばらつきが激しく、午前中のスプレッドも瞬間的にスプレッドが広がっているのが確認されています。
また21時台にはばらつきがみられやすくなるようです。
EUR/USD
ZERO SPREAD口座におけるEUR/USDのスプレッドの値がそれぞれどのような時間帯で発生しているのかをまとめました。
ZERO SPREAD口座におけるEUR/USDの実測平均スプレッドは「0.43pips」でしたが、PREMIUM口座と比較すると「0.8pips」狭かったです。
最小スプレッドは「0.0pips」で6時以外の時間帯で発生していました。
最小平均スプレッドは「0.28pips」であり、2時に発生していますが、深夜帯は全般的に狭いようです。
最大スプレッドは「8.3pips」であり、最大平均スプレッドの「2.80pips」と同じく6時に記録されており、6時のみが極端にスプレッドが広くなるという結果になりました。
分布図を確認すると、全体的にばらつきは少なく21時前後にばらついているようにみえますが、それ以外ではほとんどばらつきがありませんでした。
EUR/JPY
ZERO SPREAD口座のEUR/JPYにおいてそれぞれのスプレッドは以下の通りになりました。
ZERO SPREAD口座におけるEUR/JPYの実測スプレッドは「1.26pips」であり、PREMIUM口座と比較した場合「0.97pips」狭い結果となりました。
最小スプレッドは「0.6pips」ですが、5時のみで発生しており、それ以外の時間帯では0.7pipsもしくは0.8pipsとなっていました。
最小平均スプレッドは「0.98pips」で1時に発生していました。
最大スプレッドは「8.0pips」とEUR/USDよりも低かったのですが、5時から7時の間で連続して発生していました。
ただし、最大平均スプレッドは「5.75pips」で6時に発生し、5時や7時の平均スプレッドは1pips台であったので、常にスプレッドが広かったのは6時台だけであることがわかります。
分布図を確認すると早朝のスプレッドが8pipsのところで明らかに止められているような図になっていました。
また早朝以外のばらつきもやや大きく、21時台はやはりばらついていました。
GBP/JPY
ZERO SPREAD口座のGBP/JPYの各種スプレッド数値また傾向について解説いたします。
ZERO SPREAD口座におけるGBP/JPYの実測平均スプレッドは「1.26pips」で、PREMIUM口座の実測スプレッドと比べると「2.24pips」とかなり狭くなりました。
最小スプレッドは「0.6pips」とEUR/JPYと同じなのですが、こちらは6時以外の全時間帯で安定して発生していました。
最小平均スプレッドは「0.73pips」で深夜の2時に発生していました。
最大スプレッドはEUR/JPYと同じく「8.0pips」が5時から7時の間に発生し続けており、早朝だけでなくヨーロッパ市場とアメリカ市場の切り替わる21時台にも発生しているという状況でした。
最大平均スプレッドは驚異の「7.61pips」であり、最大スプレッドとほとんど変わらないため、6時台は広い水準のスプレッドが継続的に発生していたことがわかります。
分布図をみるとEUR/JPYと同じく8pipsでこれ以上広がらないように止められているような図を呈しており、低い数値のところに分布がほとんどないことがわかります。
またばらつきも広い帯状に分布しており、全時間を通してばらつきが強かったです。
GBP/USD
ZERO SPREAD口座のGBP/USDの各スプレッドを整理してご紹介いたします。
ZERO SPREAD口座におけるGBP/USDの実測スプレッドは「0.76pips」という結果となり、PREMIUM口座の「1.89pips」と比べると「1.13pips」もスプレッドが狭くなりました。
最小スプレッドは「0.0pips」で8時から4時まで記録されていました。
最小平均スプレッドは「0.35pips」で深夜帯の1時と3時に発生しています。
最大スプレッドはGBP/JPYとは異なり「18.0pips」と大きく広がっており、6時に発生しています。
ただ、最大平均スプレッドはGBP/JPYよりも狭く「6.71pips」までしか広がっていませんでした。
分布図では、ばらつきはあまり認められず、一部21時前後にややばらついている程度でした。
AUD/USD
ZERO SPREAD口座のAUD/USDにおいて各項目の数値についてまとめ、傾向を解説いたします。
AUD/USDにおける24時間の実測した平均スプレッドは「0.67pips」であり、PREMIUM口座と比べるとスプレッドは「1.04pips」の差がありました。
AUD/USDの最小スプレッドは「0.0pips」は1日の中で複数回出現しており、それ以外の時間帯では全て「0.6pips」までしか狭くなっていませんでした。
最小平均スプレッドは「0.58pips」が2時に発生していました。
なかには時間帯ごとの最小スプレッドが「0.6pips」で、同じ時間帯の平均スプレッドも「0.60pips」という時間帯もあり、1時間を通して常に「0.6pips」であった時間もありました。
最大スプレッドは「6.3pips」であり、最大平均スプレッドは「1.63pips」でした。
分布図では早朝以外に21時台にばらつきを認めますが、その他の時間帯で大きなばらつきは見受けられませんでした。
ZERO SPREAD口座の取引手数料
ZERO SPREAD口座では、取引ごとに手数料がかかり、1万通貨保有時に片道「0.3ドル」、往復で「0.60ドル」を支払う必要があります。
この手数料は当サイトで掲載している10の海外FXブローカーのなかで、「Tradeview」が提供している往復「0.5ドル」の次に安い取引手数料です。
手数料だけでみるとZERO SPREAD口座は優秀な部類に入る口座ですが、ECN方式の口座では手数料だけでなく、実測スプレッドを含めたトータルコストで判断する必要があります。
以下が実測スプレッドに取引手数料をプラスしたトータルコストを示した表です。
(1万通貨保有時のトータルコスト)
下にNDD方式のなかで取引コストが最も安い「Tradeview」のトータルコストの表も掲載しますので、上の表と比較してみてください。
トータルコストで比較してみると、すべての通貨ペアでTradeviewの方が安いことがわかり、EUR/JPYではその差が78円にもなります
また単純に実測スプレッドにおいてもすべての通貨ペアでTradeviewの方が安かったです。
HotForexのPREMIUM口座のスプレッドを他の海外FX業者と比較!
HotForexのPREMIUM口座の実測スプレッドを、他の海外FXブローカーと比較し、6通貨ペアのスプレッドを総合して順位づけを行いました。
(参考ページ:https://spreadbu.com/rank/?curencyOneUrl=1)
表を確認するとHotForexのPREMIUM口座の総合スプレッドランキングは「7位」になっています。
主要6通貨ペアの個別順位をみると、EUR/USDとGBP/USDは3位と健闘しているが、それ以外は平均以下の水準となっていることが大きな要因です。
このため、HotForexで取引を行うのであれば、少なくともEUR/USDとGBP/USD以外の通貨ペアに手を出すべきではないでしょう。
HotForexのZERO SPREAD口座の手数料を含めた取引コストで他のFX業者と比較!
HotForexのZERO SPREAD口座における実測スプレッドに手数料を含めて算出したトータルコストを用いて、各海外FXブローカーでランキング順にしてまとめました。
(参考ページ:https://spreadbu.com/rank/?curencyTwoUrl=1)
上記の表からHotForexのZERO SPREAD口座は総合ランキングが「5位」であることがわかります。
GBP/JPYとGBP/USDは3位ですが、EUR/JPYとAUD/USDはランキング下位であり、とくにEUR/JPYはワースト3に入ってしまっています。
ZERO SPREAD口座の良い点は取引手数料が「0.6ドル」と安いことですが、単純に実測スプレッドだけをみると以下のようなランキングとなります。
取引手数料を除き、実測スプレッドのみでランキング化した表は以下の通りです。
スプレッドは変動制であるため、その時々や各国の経済状況によって変わりますが、当サイトの実測スプレッドは、すべてのブローカーを同時期に測定しているため、経済状況ではなく単純にブローカーによる差額が明らかになります。
つまりHotForexは他のブローカーと比べても広いスプレッドを常に提供しているということになるため、スプレッドだけで考えるならばメリットが少ないといえます。
HotForexのスプレッドまとめ
HotForexの2口座について実測スプレッドを測定し、ランキング化しました。
今回の調査でHotForexの取引手数料は「0.6ドル」と安いものの、実測スプレッドが狭いわけではないことが明らかとなりました。
PREMIUM口座、ZERO SPREAD口座ともに、スプレッドによるメリットは少なく、より取引手数料を安く抑えたいのであればTradeviewやAxioryを選択すべきといえるでしょう。