「LAND FXはスプレッドが狭い!」と思っているトレーダーの方が多いのではないでしょうか。
実際LAND FXは「スプレッドの狭さ」を売りにしているブローカーであり、私も狭いと思っていました。
しかし今回当サイトが独自に「実測スプレッド」を計測し、他の海外FXブローカーと比較した結果、LAND FXのスプレッドが狭いというのは思い込みであることがわかりました。
本記事では実際に測定したLAND FXの2つ口座における主要6通貨ペアのスプレッドを公開し、それぞれの傾向や他のブローカーと比較してどれくらいの「スプレッドの狭さ」であるのかを詳しくご紹介いたします。
LAND FXの口座ごとでスプレッドはどう違うか?
LAND FXではスタンダード口座とECN口座の2種類があります。
厳密には「スタンダード口座」は2種類あるのですが、付与されるボーナスの違いであり口座のスペックは変わらないため、スプレッドに差はありません。
スタンダード口座では注文方式に「STP方式」を採用しており、競争力の高い世界最高水準の国際的な銀行や、リクイディティプロバイダーと契約を結ぶことで低いスプレッドを売りにしています。
一方「ECN口座」ではその名の通りECN方式を採用し、最小「0.0pips」のスプレッドを提供しています。
ただし、ECN口座では取引ごとに手数料がかかるのが特徴で、スプレッドだけでなく手数料を含めたトータルコストでお得なブローカーであるのかを考える必要があります。
当サイト計測!LAND FX主要6通貨ペアの「実測スプレッド」
当サイトでは独自に開発したツールを用いてLAND FXの主要6通貨ペアの「実測スプレッド」を測定しています。
実測スプレッドはLAND FXの出しているリアルタイムスプレッドを24時間計測し、それらから平均スプレッドや時間帯ごとの最小・最大スプレッドを算出しています。
同一条件で、かつ同一時期に海外FX業者10社の口座を測定しているため、極めて公平な比較を行えるのが「実測スプレッド」の大きな特徴です。
スタンダード口座の実測スプレッド
LAND FXのスタンダード口座における実測スプレッドを通貨ペア別にそれぞれ詳しく開設いたします。
USD/JPY
USD/JPYにおける各項目の数値をわかりやすく紹介いたします。
USD/JPYの実測した平均スプレッドは「1.47pips」でした。
最小スプレッドは「0.7pips」ですが、早朝6時の最小スプレッドは「1.7pips」までしか下がりませんでした。
また最大スプレッドは「17.8pips」、最大平均スプレッドは「6.76pips」と大きく広がり、両方とも早朝6時に記録されています。平均スプレッドも6時から8時の間は他の時間帯よりも広かったです。
この早朝の時間帯は世界三大市場が閉鎖している時間帯であり、世界的な為替の取引量が減るために、スプレッドが広くなります。
世界三大市場は東京、欧州、米国の三つでそれぞれ開いている時間帯は以下の通りです。
1.東京市場:8:00~15:00
2.欧州市場:15:00~21:00
3.米国市場:21:00~6:00
世界三大市場は為替の世界で影響が大きく、それぞれの市場の切り替わる時間帯にスプレッドが変動することも珍しくありませんので、取引を行う際には着目しておきましょう。
USD/JPYにおいても21時台の欧州市場から米国市場に切り替わる際に最大スプレッドが「2.9pips」を記録しており、前後の時間帯よりも広がっています。
分布図をみると15時台や21時台のバラつきが若干みられており、スプレッドの変動がやや見られる傾向にあります。
EUR/USD
EUR/USDにおいて各項目の数値を整理すると以下の通りになります。
EUR/USDの実測スプレッドは「1.28pips」で、主要6通貨ペアの中で最も狭いスプレッドでした。
最小スプレッドは早朝以外で発生しており、早朝以外では全体的に低く、平均スプレッドが1pipsを切る時間帯が深夜に多くみられました。
また最大スプレッドは「18.7pips」、最大平均スプレッドは「6.38pips」でともに6時台にみられており、早朝はやはりスプレッドが広がっています。
しかし、EUR/USDは早朝以外の時間帯のスプレッドは比較的低く、他社と比較しても平均スプレッドは狭い傾向にあります。
分布図をみても早朝以外はほとんど目立ったばらつきもなく、全体的に落ち着いていることがわかります。
EUR/JPY
EUR/JPYにおいて各スプレッドの数値を確認しましょう。
EUR/JPYの実測平均スプレッドは「2.37pips」でした。
最小スプレッドは「1.1pips」で日中と深夜に発生していますが、他の通貨ペアと比べると最小スプレッドが発生している時間帯は非常に少ないです。
最大スプレッドは「31.5pips」と大きく広がっており、最大平均スプレッドも「14.13pips」と10pipsを超えるほどの広さになっています。
日中の平均スプレッドは1pips台ではありますが、21時から22時の欧州市場から米国市場に移り変わった時間帯に、最大スプレッドが10pipsを超えることがあり、注意が必要です。
分布図をみると全体的に非常にばらつきが大きく、主要6通貨ペアの中でもっともばらつきが顕著であり、傾向としては欧州市場の開いている時間帯にスプレッドが広がりやすいようです。
GBP/JPY
GBP/JPYにおいて各スプレッドの最大・最小値、平均値の詳細をご紹介します。
GBP/JPYの実測した平均スプレッドは「3.29pips」と6通貨ペアの中で一番広いスプレッドでした。
最小スプレッドは「0.9pips」で、24時間の中で不規則に発生しており、6時台には「10.0pips」までしか狭くなりませんでした。
さらに最大スプレッドも「48.8pips」と圧倒的に広く、同じ6時台の平均スプレッドは驚異の「27.55pips」でした。
6時台と7時台のスプレッドが突出して広いために、8時から5時までのスプレッドが平均スプレッドよりも低いにもかかわらず、3pipsを超える広い平均スプレッドとなってしまっています。
分布図をみるとばらつきが全体的に大きいわけではないため、早朝の時間帯を避けることでリスクは回避しやすいでしょう。
GBP/USD
GBP/USDにおけるスプレッドの各数値を紹介いたします。
GBP/USDの実測スプレッドは「2.27pips」です。
最小スプレッドの「0.7pips」は16時と23時しか発生しており、欧州市場と米国市場の取引が始まってからしばらくして発生しているようです。
最大スプレッドは「35.3pips」、最大平均スプレッドは「20.19pips」で共に6時台に発生しており、GBP/USDも早朝の取引はするべきではないでしょう。
また15時や20時、21時に一時的にスプレッドが広がることがあり、欧州市場の始まりと閉まる時間帯に関係しているようです。
最小平均スプレッドは「1.33pips」で3時に発生していますが、この時間帯の最大スプレッドが「11.1pips」で大きく広がっていることに注意してください。
分布図を確認すると欧州市場の時間帯にスプレッドのばらつきが多く見られる傾向でした。
AUD/USD
AUD/USDにおいて各スプレッドの値についてまとめました。
AUD/USDおける実測の平均スプレッドは「1.68pips」でした。
最小スプレッドは「1.1pips」で、早朝以外の時間帯では安定して発生しています。早朝はやはりスプレッドが広がりやすく、5時から7時の時間帯は平均スプレッドが広いため、十分な注意が必要です。
また21時台の欧州市場から米国市場に移る時間帯にスプレッドが広がっており、この時間の最大スプレッドは「6.2pips」を記録していました。
特徴的なのは日本市場の始まった10時台にもスプレッドが広がり「5.0pips」にまで達していることです。
分布図でも10時前後と21時台にばらつきがみられる傾向にあり、取引を行う際には注意してください。
ECN口座の実測スプレッド
ECN口座の主要6通貨ペアにおいて実測スプレッドを紹介し、それぞれを詳しく解説いたします。
USD/JPY
ECN口座のUSD/JPYにおいて各項目の数値を整理して紹介します。
ECN口座のUSD/JPYにおける実測平均スプレッドは「0.66pips」であり、スタンダード口座のUSD/JPYの「1.47pips」と比較すると「0.81pips」スプレッドが狭い結果となりました。
最小スプレッドは早朝の5時から7時を除いて全時間帯で発生しており、最小平均スプレッドは深夜の2時から3時に発生していました。
米国市場との関係性が強く「ECN口座」の通貨ペアでUSDを含む通貨ペアでは、深夜帯に最小スプレッドになっていることが多かったです。
ただしUSD/JPYに関しては米国市場の始まる21時台と終わる前の4時や5時にスプレッドが広がり、とくに4時には最大スプレッドが「9.7pips」を記録していましたので、注意してください。
分布図では全体的に落ち着いていますが、やはり米国市場の開始直後はばらつく傾向にあるようです。
EUR/USD
ECN口座のEUR/USDにおいて各項目の数値を整理して紹介します。
EUR/USDの実測した平均スプレッドは「0.48pips」となり、スタンダード口座のEUR/USDのスプレッドである「1.28pips」と比較すると、「0.8pips」狭いことがわかりました。
最小スプレッドは6時と7時を除き、すべての時間帯で最狭の「0.0pips」が発生。最大スプレッドは「20.9pips」に達しており、スタンダード口座の「18.7pips」よりも広がっているタイミングがありました。
ただし最大平均スプレッドは「5.75pips」とスタンダード口座よりも低くなっているため、6時台であってもECN口座の方がスプレッドは狭いことがわかります。
EUR/USDでも2時と3時に最小平均スプレッドの「0.16pips」を記録しており、米国市場の時間帯が低いことを示しています。
分布図をみると早朝を除いてほとんどばらつきは認められず、全体的に非常に安定していることがわかりました。
EUR/JPY
ECN口座のEUR/JPYにおけるスプレッドの値を紹介します。
EUR/JPYにおける実測スプレッドは「1.17pips」で、スタンダード口座の平均スプレッド「2.37pips」と比較すると、「1.20pips」も狭いです。
最小スプレッドは「0.0pips」で8時から4時の間で継続的に発生しています。
最大スプレッドは「36.9pips」と大きく広がっており、最大平均スプレッドも「13.14pisp」と10pipsを超えていました。
その他にも18時、21時、4時、5時と最大スプレッドが10pipsを超えるタイミングがあり、スプレッドは不安定に広がっています。
分布図を見ても主要6通貨ペアの中でもっともばらつきが多くみられ、とくに欧州市場の時間帯にばらつきが激しい印象です。
GBP/JPY
ECN口座のGBP/JPYにおける各スプレッドの数値は以下の通りです。
GBP/JPYの実測平均スプレッドは「2.27pips」でした。スタンダード口座の実測スプレッド「3.29pips」よりも「1.02pips」スプレッドが狭かったです。
最小スプレッドは「0.0pips」ですが、発生している時間帯が限られていました。
GBP/JPYは非常に極端で6時・7時とそれ以外の時間帯のスプレッド差が激しい通貨ペアでした。
最大スプレッドは「47.9pips」で最大平均スプレッドが「26.7pips」と非常に広いスプレッドですが、8時台には平均スプレッドが1pips台に落ち着き、深夜帯には1pipsを切っています。
6時と7時台のスプレッドが高すぎることで、平均スプレッドも2.27pipsとなっていますが、6時・7時のスプレッドを除くだけで平均スプレッドは1pips近く下がります。
分布図をみるとばらつきが欧州市場の時間帯にみられますが、EUR/JPYよりも比較的落ち着いています。
GBP/USD
ECN口座のGBP/USDにおける各種スプレッドの値と時間帯の関係をまとめました。
GBP/USDの実測した平均スプレッドは「1.47pips」で、スタンダード口座の「2.27pips」よりは「0.8pips」狭かったです。
最小スプレッドは早朝を除いて、全時間帯で発生していました。
最大スプレッドは「34.9pips」で6時台に発生しており、早朝6時と7時の平均スプレッドも非常に広い水準ですが、8時以降から5時までは平均スプレッドが1pipsを切っております。
ただし、分布図をみると全体のばらつきはあり、各時間帯の最大スプレッドが広がる傾向にはあるため、どの時間帯であっても取引時のスプレッドに留意する必要があります。
AUD/USD
ECN口座のAUD/USDにおいて平均スプレッドや最大・最小スプレッド、平均スプレッドをわかりやすくまとめました。
AUD/USDにおける実測の平均スプレッドは「0.47pips」で、スタンダード口座の「1.68pips」よりも「1.21pips」狭い結果が出ました。
ECN口座の中でスタンダード口座とのスプレッド差が一番大きく、平均スプレッドももっとも低い通貨ペアでした。
最小スプレッドは早朝以外の全時間帯で発生し、最小平均スプレッドは「0.22pips」が2時と3時に記録されています。
ECN口座のAUD/USDでもスタンダード口座と同様に10時台前後にスプレッドが広がる傾向にあり、午前中に取引を行うのはリスクを伴うと認識しておいた方がよいでしょう。
分布図でも午前中のばらつきが大きく、21時台のばらつきも大きいことがわかります。
ECN口座の取引手数料
LAND FXのECN口座では取引手数料が1万通貨保有時に片道「0.35ドル」で、往復では「0.7ドル」に設定されています。
これは当サイトで掲載し、実測スプレッドを測定した海外FX業者10社において、Tradeviewの往復「0.5ドル」、またAxioryやHotForexの「0.6ドル」よりも高い金額です。
とくにTradeviewの往復「0.5ドル」と比べて0.2ドルも高く、一日に何回も取引を行う短期トレード派の方にとっては手痛い取引手数料です。
1万通貨で0.2ドルの差は、これだけであれば大きな金額とは思えないかもしれませんが、トレード回数が増えるほど差が顕著になってくるため、長期的に考えれば非常に大きな差であると言えます。
下記の表はECN口座の実測スプレッドに取引手数料をプラスした「トータルコスト」を示したものです。
(1万通貨保有時のトータルコスト)
上記の表と、LAND FXと同じNDD方式のなかで取引コストが最も安い「Tradeview」と比較してみると差がよくわかります。
表右側のトータルコストを見ると、すべての通貨ペアで「Tradeview」の方が安いです。
とくにGBP/JPYではLAND FXより「139円」、GBP/USDでは「101円」と大きく開きがあり、この対比をみてしまうとLAND FXを使って短期トレードを行う気にはなれないでしょう。
LAND FXのスタンダード口座のスプレッドを他の海外FX業者と比較!
スタンダード口座の主要6通貨ペアのスプレッドを、各FXブローカーのSTP口座と比較しました。その結果、LAND FXはトータルコストが206円で、主要6通貨ペアの総合ランキング10社中6位でした。
(参考ページ:https://spreadbu.com/rank/?curencyOneUrl=1)
USD/JPYやEUR/USDは、各通貨ペアの順位だと2位と4位で上位ではあるものの、他の通貨ペアのスプレッドが広く、順位を下げています。
とくにEUR/JPY、GBP/JPYはワースト3に入っており、たとえLAND FXで口座を開設したとしても取引するべきではないでしょう。
LAND FXのECN口座の手数料を含めた取引コストで他のFX業者と比較!
LAND FXのECN口座の手数料を含めたトータルの取引コストを、他のFXブローカーと比較してランキング化したところ総合順位は9位という結果でした。
以下のランキング表をご覧いただき、各通貨ペアの順位を確認してください。
(参考ページ:https://spreadbu.com/rank/?curencyTwoUrl=1)
上記の表をみるとLAND FXの「ECN口座」を使う必要がないことは明らかです。
AUD/USDは「4位」ではありますが、それ以外の通貨ペアはすべて8位~10位のワーストに入っています。
LAND FXのECN口座で取引してしまうと、他社と比較してもムダに大きな手数料を払うことになってしまうため、オススメできません。
同じロット数の同じ通貨ペアで取引を行うのであれば、当サイトの実測スプレッドで明らかとなった上位のブローカーを利用するべきでしょう。
LAND FXのスプレッドまとめ
LAND FXは「スプレッドの狭さ」を売りにしているブローカーですが、今回当サイトで計測した実測スプレッドによって、それは事実ではないことがわかりました。
ただしスタンダード口座のUSD/JPY、EUR/USDは各ブローカーをみても比較的スプレッドが狭いため、LAND FXで提供されている3種類のボーナスを得ながら、この2つの通貨ペアで取引したい人には検討の余地があるでしょう。
残念ながらECN口座には検討の余地はなく、非常にコストの高い口座であることがわかりました。6通貨ペアを平均した「総合スプレッドランキング」で10社中9位という結果であり、とくにGBP/JPYは最下位なので絶対に取引を避けるべきでしょう。
LAND FXの評判だけで口座を開設しようとしていたトレーダーの方は、再度当サイトの実測スプレッドランキングなどを確認しながら、どのブローカーで口座開設した方がよいのかを再検討してみてはいかがでしょうか。