Tradeviewは日本への進出が2016年と最近であるため、日本人の間では決して知名度が高くないブローカーです。しかし「取引コスト」の安さに注目されここ数年一気に口座開設数を増やしています。
当サイトにて独自ツールを用い、Tradeviewのスプレッドを測定したところ評判通り非常に狭く、測定を行なった10社のなかで最もオススメできるブローカーであることがわかりました。
この記事では「Tradeview」の主要6通貨ペアにおける実測スプレッドをご紹介し、取引手数料を含めたトータルコストが他社と比較してどれほど優れているのかを解説いたします。
Tradeviewの口座ごとでスプレッドはどう違うか?
Tradeviewでは5つの口座が用意されており、それぞれの口座は2種類の注文方式に分かれます。
「STP方式」の注文では、ブローカーが提携する金融機関の為替レートにスプレッドを乗せたレートがトレーダーに提示されています。
一方の「ECN方式」の注文では、トレーダーの注文がブローカーを介さずに直接インターネット上の市場へと流れるため、スプレッドが最小0.0pipと非常に狭い代わりに取引手数料をブローカーに払うのが特徴です。
この記事ではTradeviewにおいて「STP方式」として最もスタンダードな口座である「xLeverage口座」と「ECN方式」の「ILC口座」におけるスプレッドについて紹介いたします。
当サイト計測!Tradeview主要6通貨ペアの「実測スプレッド」
海外FXスプレッド部では、オリジナルのツールを用いてTradeviewの主要6通貨ペアのスプレッドを実際に測定し、その結果を「実測スプレッド」として公開しております。
すべて同じツールを用いて、FXブローカーの主要6通貨ペアを測定しているので、ブローカーごとの測定方法による違いを考える必要はなく、そのまま数値を比較することが可能です。
また実測スプレッドを調べることで、嘘偽りのない本当のスプレッドがどの程度なのかを知れます。
xLeverage口座の実測スプレッド
Tradeviewの「xLeverage口座」における実測スプレッドをそれぞれの通貨ペアごとにご紹介し、最小・最大スプレッドや平均スプレッド、時間帯によるスプレッドの変化などを解説します。
USD/JPY
USD/JPYにおける各項目の数値をわかりやすく紹介いたします。
USD/JPYの実測した平均スプレッドは「2.18pips」でした。
最小スプレッドである「1.8pips」が、他のFX業者と比較しても非常に珍しい早朝の6時に発生しており、最大スプレッドや最大平均スプレッドも6時であるため、6時台のスプレッドは非常に変動が激しいことがわかります。
ただしその他の時間の最小スプレッドは「1.9pips」と0.1pipsしか変わらないため、最小スプレッドの時間帯はそこまで意識する必要はないでしょう。
特徴的なのは早朝の5時から7時におけるスプレッドの広がりです。
早朝にスプレッドが広がるのは、「世界中で為替取引される量が減る」からです。
これには世界三大市場と呼ばれる為替市場の開場時間が深く関係しています。
1.東京市場:8:00~15:00
2.欧州市場:15:00~21:00
3.米国市場:21:00~6:00
上記の東京、欧州、米国が世界三大市場であり、それぞれの開場時間は重なることなくうまく切り替わっています。
早朝の時間帯にスプレッドが極端に広がる傾向にあるのは、世界三大市場がどれも開場していない時間帯の取引量が減ることで、注文が約定しにくくなるためなのです。
USD/JPYでは米国市場の閉まる直前の時間帯である、5時から東京市場が始まる8時までの間にスプレッドが広がっていました。
グラフ2の分布図を見ると、早朝にばらつきが多いことに加えて、東京市場の終わる21時ごろの時間帯にもばらつきが多くなっており、21時台だけ最大スプレッドが「4.0pips」を記録していることがわかります。
EUR/USD
EUR/USDにおいて各項目の数値を整理すると以下の通りになります。
EUR/USDの実測スプレッドは「1.94pips」で、主要6通貨ペアのなかでも最も平均スプレッドが狭かったです。
最小スプレッドは6時以外はすべて「1.7pips」であり、USD/JPYよりも狭い傾向にあります。
最大スプレッドや最大平均スプレッドは、早朝の6時に発生しており、世界三大市場のクローズしている時間帯に合わせた変動となっています。
EUR/USDで特徴なのはスプレッド分布図でわかるように、欧州市場が始まった時間帯と欧州市場から米国市場へ切り替わる時間帯も顕著にばらつきがみられ、それぞれの対応する通貨と関係性があることです。
欧州市場が始まった後の16時台に最大スプレッドは「3.2pips」を呈しており、21時台の米国市場に切り替わった時間にも最大スプレッドは「4.0pips」まで拡大しております。
EUR/JPY
EUR/JPYにおいて各スプレッドの数値を確認しましょう。
EUR/JPYの実測平均スプレッドは「2.38pips」でした。
最小スプレッドは「1.9pips」で6時を除くすべての時間帯で発生しているのですが、各時間帯の最大スプレッドは多少のばらつきがありました。
米国市場に切り替わる21時台に「6.0pips」は記録されていますが、それ以外の時間でも「2.5pips」から「3.7pips」までスプレッドに幅があるので、突発的なスプレッドの拡大に注意をする必要があります。
またEUR/JPYの最大スプレッドは6時台の「11.8pips」ですが、7時台にも「11.4pips」が記録されており、2時間にわたってスプレッドが大きく拡大していました。
GBP/JPY
GBP/JPYにおいて各スプレッドの最大・最小値、平均値の詳細をご紹介します。
GBP/JPYの実測した平均スプレッドは「2.89pips」で、主要6通貨ペアの中で最も平均スプレッドが広い結果となりました。
最小スプレッドは「2.0pips」で6時を除く全時間帯で発生しています。最大スプレッドは「11.8pips」と他の通貨ペアと変わらない幅に広がっており、主要6通貨ペアの中で唯一6時と7時に発生していました。
また最大平均スプレッドも6時には最大スプレッドに非常に近い「9.52pips」を記録しており、顕著に早朝のスプレッドの広さを呈しています。
分布図をみると全体的にばらつきが大きく、市場の切り替わる時間以外にもスプレッドが急に広がっているタイミングがあります。
なお、傾向としては欧州市場の閉まる20時から21時台はスプレッドが広がりやすいようです。
GBP/USD
GBP/USDにおけるスプレッドの各数値を紹介いたします。
GBP/USDの実測スプレッドは「2.47pips」でした。
最小平均スプレッドは1時と2時に発生しており、全体的に米国市場の時間帯のスプレッドは低い傾向にありました。
最大スプレッド、最大平均スプレッドは共に6時台に発生しており、早朝はスプレッドが広がりやすいです。
また20時、21時には一時的にスプレッドが広がり、それぞれ「6.2pips」「5.2pips」を記録しており、欧州市場が閉まる時間帯と関係しているようです。
分布図を見ると欧州市場が開いている時間帯にスプレッドのばらつきが多く見られる傾向にありました。
AUD/USD
AUD/USDにおいて各スプレッドの値についてまとめました。
AUD/USDにおける実測の平均スプレッドは「2.27pips」でした。
最小スプレッドと最大スプレッドがともに6時に発生しており、スプレッドも最小は「1.8pips」、最大は「11.8pips」とUSD/JPYとまったく同じになっていました。
ただ、AUD/USDの場合はスプレッドが極端に広がっている時間帯は6時台のみで、5時や7時でも平均スプレッドよりは広いものの最大スプレッドはそこまで広くありません。
分布図をみるとAUD/USDでは他の通貨ペアと同様に21時ぐらいにばらつきが見られることに加え、10時ぐらいにもスプレッドのばらつきがみられ、21時台と同じ程度である「3.9pips」の最大スプレッドが発生していました。
「ILC口座」の実測スプレッド
USD/JPY
「ILC口座」のUSD/JPYにおいて各項目の数値を整理して紹介します。
ILC口座のUSD/JPYにおける実測平均スプレッドは「0.38pips」であり、xLeverage口座の「2.18pips」と比較して「1.8pips」も狭い結果となりました。
最小スプレッドは6時と7時を除き、全時間帯で「0.0pip」が発生。最小平均スプレッドは「0.22pips」で24時間の中で夕方から夜にかけての長い時間と2時に記録されており、スプレッドが狭い時間帯は多くあります。
最大平均スプレッドは最大スプレッドと同じ6時に「2.97pips」を記録していますが、6時以外の時間帯の平均スプレッドはいずれも1.0pipを下回っており、全体的に非常に低い水準となっています。
分布図をみると米国市場の始まる21時にばらつきがみられており、21時台の最大スプレッドは「2.2pips」を記録していました。
EUR/USD
「ILC口座」のEUR/USDにおいて各項目の数値を整理して紹介します。
EUR/USDの実測した平均スプレッドは「0.24pips」となり、xLeverage口座のEUR/USDのスプレッドである「1.94pips」と比較すると、「1.7pips」狭いことがわかりました。
EUR/USDは主要6通貨ペアの中でも屈指のスプレッドの狭さであり、最小の平均スプレッドは2時台の「0.06pips」ですが、それだけでなく17時の夕方から4時まではどの時間帯も0.1pips以下と非常に狭いのが特徴です。
ただし欧州市場の始まった、16時台や米国市場の始まる21時台はスプレッドが広がる傾向が強いため注意する必要があります。
分布図をみても16時台、21時台のばらつきは大きくなっています。
EUR/JPY
ILC口座のEUR/JPYにおけるスプレッドの値を紹介します。
EUR/JPYにおける実測スプレッドは「0.58pips」で、xLeverage口座の平均スプレッド「2.38pips」と比較すると、「1.8pips」も狭いです。
最小スプレッドは「0.0pips」で、最小平均スプレッド「0.29pips」で13時と2時に発生していました。
最大スプレッドは「10.0pips」であり、早朝の6時と7時にはスプレッドが広がりやすいようです。
また欧州市場が終わり米国市場に切り替わった21時台には最大スプレッドが「4.2pips」に達する時がありました。
分布図をみると全体的にばらつきがみられており、どの時間帯でもスプレッドが広がるタイミングはあるようです。
GBP/JPY
ILC口座のGBP/JPYにおける各スプレッドの数値は以下の通りです。
GBP/JPYの実測スプレッドは「1.09pips」でxLeverage口座の「2.89pips」と比較すると「1.8pips」平均スプレッドが狭い傾向にありました。
GBP/JPYは「Tradeview」の「ILC口座」における主要6通貨ペアのなかで唯一平均スプレッドが「1.0pips」を超えており、全体的にスプレッドは広くなっています。
このため最小スプレッドは「0.0pips」ではあるものの、他の通貨ペアと比較すると発生している時間帯は限られていました。
また最大スプレッドに関しても主要6通貨ペアの中で唯一6時台だけでなく7時台にも「10.0pips」が発生していました。
分布図では全時間帯においてばらつきがみられ、やはり21時台のばらつきは顕著に認められます。
GBP/USD
ILC口座のGBP/USDにおける各種スプレッドの値と時間帯の関係をまとめました。
GBP/USDの実測した平均スプレッドは「0.67pips」で、xLeverage口座の「2.47pips」より「1.8pips」狭かったです。
最小スプレッドは「0.0pips」で、最大スプレッドは「10.0pips」でした。
最小平均スプレッドは「0.30pips」で、1時と2時に発生していました。
分布図でみると欧州市場が閉まる直前の20時台のばらつきが大きく、20時台の最大スプレッドは「4.4pips」まで拡大しています。
AUD/USD
ILC口座のAUD/USDにおいて平均スプレッドや最大・最小スプレッド、平均スプレッドをわかりやすくまとめました。
AUD/USDにおける実測の平均スプレッドは「0.47pips」で、xLeverage口座の「2.27pips」よりも「1.8pips」狭い結果が出ました。
最小平均スプレッドは「0.33pips」で1時台に発生していますが、平均スプレッドは早朝を除き落ち着いていて、0.3pips台が日中から深夜帯までを占めています。
最大スプレッドは「10.0pips」と他の通貨ペアと変わらず6時台に発生していますが、その前後である5時や7時の最大スプレッドは3.0pips以下と早朝にしては広くありません。
分布図では朝の10時と欧州時間の終わる21時台にばらつきがみられています。
ILC口座の取引手数料
ILC口座の注文方式はECN方式であるため、スプレッドが狭い代わりに取引手数料がかかります。このTradeviewのILC口座における最大の特徴は取引手数料の安さでしょう。
最もトレーダーに人気のあるXMのzero口座は往復1ドルに対し、ILC口座の取引手数料は1Lotあたり往復0.5ドルと半額になっています。
なおTradeviewの次に取引手数料が安いのはAxioryやHotForexの0.6ドルです。
取引手数料がたったの0.1ドルしか違いがないと安易に考えるトレーダーもいますが、0.5ドルは0.6ドルより約17%も安いことになり、スキャルピングなどの短期トレードで取引回数が多くなるほど、その違いは大きくなります。
さらに「Tradeview」のILC口座のスプレッドはの狭さは非常に優秀であるため、トータルコストでみると他の海外FXブローカーとは明らかな差があります。
TradeviewのILC口座における、実測スプレッドに取引手数料をプラスした「トータルコスト」を示した表は以下の通りです。
(1万通貨保有時のトータルコスト)
同じ表を日本人に人気のある「XM」の「zero口座」と比較してみましょう。
USD/JPYのおいてトータルコストの差は41円になり、とくにスプレッドが広くなるGBP/JPYでは差が139円と違いが明らかになります。
このようにILC口座のスプレッドの狭さと取引手数料の安さによって、XMと比較した場合にトータルコストで圧倒的な違いがあるのです。
TradeviewのxLeverage口座のスプレッドを他の海外FX業者と比較!
xLeverage口座の主要6通貨ペアのスプレッドを、各FXブローカーのSTP口座と比較しました。
その結果Tradeviewは平均トータルコストが「236円」であり、10社中9位でした。
とくに、USD/JPY、EUR/USD、AUD/USDの3通貨ペアのスプレッドは測定した10社のなかでも最下位で、かなりコストが高い口座なのです。
また一般的に「STP方式」の口座を開設した場合には、ボーナスなどを用意しているブローカーが多い中でTradeviewはボーナスを一切提供していません。
このためTradeviewで取引を行う際に「xLeverage口座」を開設するメリットはほとんどなく、利用するべきではないでしょう。
TradeviewのILC口座の手数料を含めた取引コストで他のFX業者と比較!
Tradeviewの「ILC口座」の手数料を含めたトータルの取引コストを、他のFXブローカーと比較してランキング化すると、総合順位は2位でした。
以下のランキング表ではGemForexのノースプレッド口座が1位になっているのがわかります。
しかしGemForexのノースプレッド口座は「DD方式」であり、国内FX業者と同じできわめて透明性が低い取引方式なので、わけて考える必要があります。
その点TradeviewのILC口座は「NDD方式」であり、GemForexの口座を除けばランキングではTradeviewがすべての通貨ペアで1位となります。
また取引手数料を含めずに、純粋に主要6通貨ペアの実測スプレッドのみでランキング化ささせた場合は以下の通りです。
TradeviewのILC口座は取引手数料の安さだけでなく、スプレッドでも一番コストが安いブローカーとなります。
Tradeviewのスプレッドまとめ
Tradeviewのスタンダード口座であるxLeverage口座のスプレッドは非常に広く、今回測定した10社中9位という結果でした。
xLeverage口座はスプレッドが広いだけでなく、ボーナスが付与されない点も考慮すると利用するメリットはまったくありません。
Tradeviewの口座を利用するのであれば「xLeverage口座」以外の口座が選択肢として候補に挙がります。具体的にはILC口座(MT4)、ILC口座(MT5)、cTrade口座の3つが挙げられ、その中から選択した方がよいでしょう。
ILC口座は当サイトで比較した10社の中で、DD方式を採用するGemForexのノースプレッド口座を除けば、最も取引コストと実測スプレッドが安い口座です。
一度TradeviewのILC口座を利用して取引を行うと、トータルコストの安さに気がつき、離れられなくなってしまうことでしょう。ぜひ一度お試しください。