XMのゼロ口座は「低スプレッド」を実現するために誕生した口座です。
スタンダード口座と比較してレバレッジが500倍であったり、取扱商品は若干少ないものの、ドル円やユーロドルのスプレッドは最低「0.0pips」を達成しており、取引にかかる合計のコストは安くなります。
ただしゼロ口座の取引にかかる「取引手数料」は海外FX業者のなかで最も高いというデメリットも持ち合わせております。
XMの特徴である入金ボーナスや取引ボーナスの提供も受けれないため、ゼロ口座の開設は慎重に行いましょう。他の海外FX業者の「ECN口座」と比較することで、自分に合った海外FX業者の口座が見つかるはずです。
本記事では「ゼロ口座」の概要と特徴について徹底的に解説しています。
【XM】ゼロ口座の概要
XMのゼロ口座の全体像を把握するために、最初にスペック表をご確認ください。
【XM】ゼロ口座の注文はECN方式を採用!
ゼロ口座は注文の発注方式を「ECN方式」を採用しています。
ECNとは「電子通信ネットワーク」の頭文字をとったもので、電子商取引を行う市場という意味があります。
ECN方式は、トレーダーの注文が直接市場に流れます。個人、金融機関、証券会社がそれぞれ出している売買の値から自動的にマッチングすることで約定するわけです。
ECN方式は発注から約定までに業者が介入できないため「STP方式」よりも透明性の高い注文方式とされています。
XMのゼロ口座は流通量の多いメジャー通貨ペアであればリクオート(約定拒否)が起こりません。
取引量の少ない通貨ペアの場合は、売りと買いの値段がマッチングせず、指値で取引を行うとスリッページが発生する可能性はありますが、約定しないことはないです。
ゼロ口座は、ほぼ100%の注文を1秒以内に執行する約定力を誇っており、マッチングさえすればすぐに約定するスピードが魅力です。
また注文の間に業者が介入しないため、スプレッドが狭い代わりに取引ごとに料金を取られるのが「ECN方式」の特徴になります。
ECN方式を採用しているゼロ口座では「スプレッドの狭さ」が特徴です。後述のとおり、ドル円やユーロドルでは多くの時間帯で「0.0pips」のスプレッドを実現しています。
取引手数料が取られたとしても、トータルコストで見ると「スタンダード口座」よりも安くなる傾向にあるのです。
【XM】ゼロ口座のレバレッジは最大500倍で15段階から選択可能!
スタンダード口座ではレバレッジ「888倍」でしたが、ゼロ口座の最大レバレッジは「500倍」に制限されています。
レバレッジは、
・1倍
・2倍
・3倍
・5倍
・10倍
・15倍
・20倍
・25倍
・50倍
・66
倍・100倍
・200 倍
・300倍
・400倍
・500倍の「 15段階」から自由に変更することが可能です。
レバレッジは口座開設後に、マイページの「アカウントの概要」にある「オプション」からいつでも変更できます。
ゼロ口座での最大レバレッジ「500倍」だと1ドル110円の時、1Lot(10万通貨)の取引を行うのに必要な証拠金は2万2000円です。
ただし「MT4 / MT5」の取引において以下の通貨ペアでレバレッジは50倍に制限されます。
・ユーロ/デンマーククローネ
・ユーロ/香港ドル
・ユーロ/ロシアルーブル
・イギリスポンド/デンマーククローネ
・アメリカドル/デンマーククローネ
・アメリカドル/香港ドル
・アメリカドル/ロシアルーブル
また「アメリカドル/トルコリラ」「ユーロ/トルコリラ」は最大100倍まで、「中国人民元」を含む通貨ペアは最大400倍にレバレッジ制限が適用されますのでご注意ください。
さらにXMでは、口座残高によってもレバレッジ制限がかけられます。
保有するすべての口座残高が約200万円(2万ドル)以上は最大200倍。そして約1,000万円(10万ドル)以上は最大100倍に制限されることが定められています。
口座残高によるレバレッジ制限を解除したい場合には、出金して証拠金額を調整すればレバレッジの倍率は自動的に元に戻ります。
【XM】ゼロ口座の平均スプレッド(公式データ)
ゼロ口座の平均スプレッドをご紹介いたします。通貨ペアは全部で「56種類」です。
(公式サイト平均スプレッド:https://www.xmtrading.com/jp/forex-trading)
XMでは変動制スプレッドを採用しているため、上記のスプレッドはあくまで平均値を算出したものです。市場のタイミングによってスプレッドが大きく拡大しますのでご注意ください。
ECN方式であるゼロ口座のスプレッドは、スタンダード口座と比較しても圧倒的にスプレッドが狭いです。
【XM】ゼロ口座の実測スプレッド(当サイト計測)
次にゼロ口座の「実測平均スプレッド」について確認してみましょう。実測スプレッドとは当サイトが独自にXMゼロ口座のスプレッドを計測したものです。
計測方法については「スプレッド実測方法」をご覧ください。
今回調査したのは、USD / JPY、EUR / USD、EUR / JPY、GBP / JPY、GBP / USD、AUD / USDの6通貨ペアです。順番に実測スプレッドを確認していきましょう。
USD / JPY
ドル円の1時間ごとのスプレッド表です。最小スプレッド「0.0pips」は6:00以外すべての時間で達成しています。
全体を見るとオセアニア市場と東京市場ではスプレッドが広く、欧州市場からNY市場にかけてスプレッドが狭いです。
計測の結果、XMゼロ口座のドル円平均スプレッドは「0.26pips」でした。公式サイトで公表している「0.10pips」とは開きがありますが、他の海外FX業者と比較すると公式サイトとの乖離は狭い方です。
上記の表をグラフ化しました。絶対に「取引してはならない」スプレッドの広がる時間帯は、日本時間の6:00〜7:00の間です。(夏時間)
可能な限り「オレンジの平均値」より下の時間帯で取引すべきです。
計測したすべてのスプレッドをプロットした分布図です。6:00は10pips以上のスプレッドを何度も計測していることがわかります。22:00付近にスプレッドの拡大が見られるのは「経済指標」の影響です。
他の5通貨ペアの実測スプレッドについても見てみましょう。
EUR / USD
ユーロドルの実測スプレッドです。24時間の平均実測スプレッドは「0.23pips」でした。
XMが公表しているユーロドルのスプレッドは「0.10pips」ですから、誤差は許容範囲と言えるでしょう。
分布図で見るとスプレッドの拡大はドル円と比較すると少なくなっています。
ユーロ/円
ユーロ円の実測スプレッドです。24時間平均実測スプレッドは「0.65pjps」でした。
XMが公表しているユーロ円のスプレッドは「0.4pips」なので、その差は「0.25pips」です。なかなか大きい差ですね。
ただし17:00〜0:00までの最も取引が盛んな時間帯では「0.40pips」を下回るケースもかなりあります。この取引時間帯を考えれば有利なトレードが可能となりそうです。
ドル円、ユーロドルと比較してスプレッドが拡大していることがわかります。
GBP / JPY
ポンド円の実測スプレッドです。24時間平均実測スプレッドは「1.62jps」でした。
XMが公表しているユーロ円のスプレッドは「1.20pips」なので、その差は「0.42pips」とかなり乖離が大きいです。
朝方6:00〜7:00の平均スプレッドが相当広く、最大スプレッドは驚きの「18.9pips」。もしタイトなストップを設定しているポジションであればスプレッドの拡大によってロスカットされてしまう水準です。
欧州市場やNY市場ではXMの公式スプレッド「1.20pips」を下回る時間帯もありますが、オセアニア市場や東京市場では極力取引を避けた方がよいです。
ポンド円のスプレッド分布図は今までの、通貨ペアとはまったく形が違うことがわかります。スプレッドのバラツキが顕著です。下記の図を見せられると、XMでポンド円取引はやりたくないですね。
GBP / USD
ポンドプロキシの実測スプレッドです。24時間平均実測スプレッドは「0.48jps」でした。
XMが公表しているポンドドルのスプレッドは「0.30pips」なので、誤差は「0.18pips」です。
ポンド円と同じで「6:00〜7:00」のスプレッド拡大が気になります。22:00〜2:00までのNY市場において最もスプレッドが狭い結果になりました。
AUD / USD
豪ドルサブルーチンの実測スプレッドです。24時間平均実測スプレッドは「0.56pips」でした。
XMが公表している豪ドルスキャナーのスプレッドは「0.40pips」なので、誤差は「0.16pips」です。
【重要】XMゼロ口座の取引手数料が高すぎる!
ゼロ口座ではスタンダード口座と比較してスプレッドが狭い代わりに、取引ごとに手数料がかかり、ドル円の場合1Lotで往復10ドルを支払う必要があります。
スプレッドの狭さでは非常に優秀なXMのゼロ口座ですが、取引手数料はかなり高額です。
たとえば取引手数料が最も安い「TradeView」は往復で1Lotあたり「5ドル」しかかかりません。一方のXMのゼロ口座は1Lotあたり10ドルですから「2倍」の取引手数料がかかるということです。
またユーロやポンド関連の通貨ペアを選択した場合、さらに手数料が上がります。XMでは他の海外FX業者と取引手数料の計算方法が異なるためです。
たとえばドル円は1Lotあたり「10ドル」が取引手数料とお伝えしましたが、ポンド円は1Lotあたり「10ポンド」が取引手数料となります。
つまり通貨ペアによってレートが違いますので、ドル円は1ドル110円の時、1Lotで1,100円、ポンドは140円の時1Lotで1,400円が取引手数料になるのです。ただしこの計算をすると豪ドルはレートが安いため取引手数料も安くなります。
手数料が高いということは、スキャルピングなどの短期トレードを何度も繰り返す場合、その都度取引コストが高くなってしまいます。
以下の表はXMゼロ口座の「実測スプレッド」と「取引手数料」を合算したものです。(1万通貨あたり)
当サイトではこの表を用いて海外FX業者の「取引コスト」ランキングを決定しております。
XMは取引手数料の高さがネックとなり「10業者中7位」という厳しい結果でした。
詳しくは「海外FXスプレッドランキング」をご覧ください。
したがって、XMのゼロ口座は「短期トレードに向いていない」というのが当サイトの結論です。
ちなみに手数料が引き落とされるタイミングは使用しているプラットフォームにより異なる、MT4の場合注文を行った時点で往復分(発注と決済)である「10ドル」が引き落とされます。
一方MT5の場合注文を行った時点と決済した時点でそれぞれ「5ドル」が引き落とされることになります。
【XM】ゼロ口座のLot単位と取引量
XMのゼロ口座における取引単位や手数料についてご紹介いたします。
1Lot単位は10万通貨
ゼロ口座の1Lot単位は10万通貨に設定されています。
国内FX業者の場合は1Lot:1万通貨に定められている場合が多いですが、海外FX業者では10万通貨が多くXMでも同様です。
また最大に保有できるポジションは「200」までと決められています。
最小・最大取引量
ゼロ口座における「最小Lot数」はマイクロLotである0.01Lot(1000通貨)で取引を行うことが可能です。
最小ロット数で取引を行うと、ドル/円110円とするとレバレッジ500倍で運用すれば、わずか220円から取引が可能です。
また最大Lot数は50Lot(500万通貨)であり、最大レバレッジで取引を行うと100万円で5億円の大口取引を操作ます。
ただしLot数が大きくなるほど、変動による金額の大きくなり、ハイリスクハイリターンとなります。大口取引は一瞬で資金を失うことになりますので、自分の資金量に見合ったLot数で取引を行ったていくことが肝要です。
取引手数料は経費にとりできる
ゼロ口座の取引手数料は、「取引明細書」としてダウンロードすることが可能で、明細書によってFX取引で利益を得るために発生した「経費」として確定申告で変動可能です。
【XM】ゼロ口座のCFDは貴金属のみ対応
ゼロ口座では取扱商品が通貨ペアに特化しており、CFDは貴金属の2種類のみ取引が可能です。
上記以外のスタンダード口座で取引可能であったCFD銘柄やエネルギー関連の取引を行うことはできません。
【XM】ゼロ口座の最低入金額は1万円と良心的!
ゼロ口座の最低入金額は1万円であり、スタンダード口座の500円よりも高い金額が設定されています。
ゼロ口座では開設のハードルがスタンダード口座より高く設定されておりますが、1万円を入金できない人は正直いないと思いますので、良心的な設定金額と該当でしょう。
他の海外FX業者の低スプレッド口座は、最低入金額を10万円や30万円以上に設定している業者もありますので、それらの業者と比較するとゼロ口座の入金額1万円はありがたいです。
【XM】ゼロ口座でもらえるボーナスは「入金ボーナス」のみ!
ゼロ口座では「口座開設ボーナス」のみ付与されます。
スタンダード口座では口座開設ボーナス、入金ボーナス、XMロイヤルティプログラムの3種類と豊富なボーナスが適用されています。しかしゼロ口座でもらえるボーナスは1つだけです。
「口座開設ボーナス」は新規で口座を開設した人に付与されるボーナスで、金額「3,000円」を貰えます。
口座を開設するだけで貰えるボーナスであるため、未入金であっても口座に残高として反映されており、ボーナス3,000円を使って取引を開始することが可能です。
ボーナスは出金できず、あくまで証拠金の足しとして使うことが可能で、ボーナスを利用して取引を行い、利益として獲得した金額に関しては出金できます。
【XM】ゼロ口座に関するFAQ
XMのゼロ口座に関して多くの利用者の方から寄せられる、よくある質問についてお答えいたします。
ゼロ口座から別の口座に切り替えられますか?
基本的にXMでは口座の切り替えはできません。ただし口座を追加して登録できるため、追加口座を申請することで、他の口座を使うことが可能です。
有効化が完了しているリアル口座を保有していれば、申請することですぐに追加口座を開設できますが、有効化が完了していない場合は、身分証明書や住所証明書を提出しますて口座の有効化を行ってください。
一人当たり保有できる口座数は最大「8つ」までとなっています。
ゼロ口座の開設で入金ボーナスがもらえませんでした。別の口座を開設したらボーナスはもらえますか?
新たにスタンダード口座を開設して入金すれば、入金ボーナスやXMPを獲得することが可能です。
入金ボーナスは一人当たり上限50万円と定められており、以前に50万円までの入金ボーナスをもらっていた場合は新たに付与されることはありません。
CFD取引も行いたいのですが可能ですか?
ゼロ口座は基本的な取扱商品を通貨ペアに特化しており、取り扱っているCFDは貴金属(金・銀)の2種類のみです。
それ以外のスタンダード口座で取り扱っていたコモディティ、株式指数CFD、エネルギーCFDは取引できません。
預けている証拠金は安全ですか?
XMではトレーダーから預かった資金を、優良金融機関に分けて保管する「分別管理」を導入しているため一定の安全性は確保されています。
分別管理によって万が一XMが資金難に陥った場合でも、トレーダーの資金を会社の資金に流用することはできません。
ただしXMは「分別管理」は公表しているものの、信託保全であることを発表していません。
信託保全とはXMや金融機関が倒産によって事業の継続ができなくなった場合でも、トレーダーの資金が保護され変換される仕組みのことです。
XMでは資金を「信託保全」ではなく「分別管理」しているため、XMに万が一のことが起きた場合に資金が返ってこない可能性もありますので、この点は事前認識しておきましょう。
VPSが無料だと聞きました。本当ですか?
XMでは一定の受け入れことで、VPSを無料で利用できるサービスを行っています。
■VPSを無料で利用する条件
1.有効証拠金が「最低5000USD」相当口座残高に入っていること
2.一か月に最低5往復Lot、もしくは500往復マイクロLotの取引があること
ただし口座残高は、保有する口座すべての残高を合算した金額が5000USDを超えていればVPSを利用できます。
また上記の条件を満たさなくても、「月28USD」をトレーダーが負担すれば利用することが可能です。
【XM】ゼロ口座まとめ
XMのゼロ口座は「ECN方式」を採用した低スプレッドに特化した口座です。
スプレッドは最低0.0pipsにもなるほど狭く、取引にかかるトータルコストはスタンダード口座よりも安くなります。
ただし取引手数料がドル円で1Lotあたり「10ドル」かかるのは海外FX業者で最も高く、大きなデメリットと言えるでしょう。もし海外FX業者でスキャルピングを検討している人は「TradeView」や「Axiory」など、低スプレッドかつ取引手数料が安い海外FX業者を選択すべきです。